あの時の気持ちは、一瞬たりとも忘れたことはなかった。

・・・なんて言うと、それはさすがに大袈裟になってしまうけれど。去年のリレー将棋、最後の一局は、自分の中で忘れ難いものになった。リレーの「魔物」にのみこまれて、4人で作り上げるはずの将棋を台無しにしてしまって。この悔しさは1年後にも絶対に覚えていよう、と固く心に誓ったのを、今もしっかり覚えている。

春が来て、梅雨が来て、気温が上がってくると、リレーの季節が来たんだなあと実感する。早いもので、もう5回目の夏だ。



今年の狼は、リレーの参加表明者が5人だった。去年に続いての2チーム参加は難しいかと思われたが、大生さんの参加表明者が3人しかいないということで、両軍の混成で2チーム組むことが決定。

チーム編成会議の結果、しまさん、安倍さん、いたちさん、リンリンさんのチームと、亀、よっすぃーさん、もみじさん、茉麻さんのチームが誕生した。前者のチームは「大生軍」、後者のチームは「モ娘(狼)軍」の名前を使うことに。こうして、今までとはまた違った形で、新鮮な気持ちで、スタートを切ることができた。



7月9日、土曜日。まず大生軍が先陣を切った。

相手チームの三間飛車に対して、大生軍は急戦策を採用。中盤で一度ペースを握られてしまうが、2将しまさんの粘り強い指し回し、3将安倍さんの勝負術が相手のミスを誘い、一気に形勢を引っくり返した。



第1図は94手目△3八歩までの局面。リードはしているが、決して大差ではない。ここからの4将いたちさんの指し回しが素晴らしかった。

第1図以下▲9一角△7二玉▲8三桂成△同玉▲2一竜△5一香▲9七歩△8五歩▲7四桂△同玉▲9六歩(第2図)



▲9一角が鋭い一着で、△同玉なら▲8三桂成で「金なし将棋に受け手なし」の図。その後も簡単な局面ではなかったが、▲9七歩など落ち着いた指し回しで一気に勝利を引き寄せた。大生軍は3回目の出場で、念願のリレー初勝利。祝勝会が大いに盛り上がったのは言うまでもない。



狼軍の対局は、大生軍の一週間後。大生軍勝利の流れに乗っていきたいところだ。

対局が近付くにつれて頻繁に思い出すようになった、去年の悔しさ。今年こそは、と気合いが入る一方で、正直に言えば少しだけプレッシャーにもなっている。今年はあんなことを繰り返してはいけない・・・。

そんなこんなで色んな気持ちは渦巻くけれども、結局のところ一番大きいのは「楽しみ」という気持ち。今年もまた、熱い夏が始まるのだ。気合いも、プレッシャーも、意識的に押し込めようなんて考えなくてもいい。楽しみだし、早く指したい。溢れてくるのはそんな気持ちばかりだ。


inserted by FC2 system